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執筆者の写真KEITA SAIKI

何も変わらない。

更新日:2021年6月16日



 日頃から忙しくてなかなかできていなかったことを一気に進められるチャンスがやってきた。そうだ、アイツだ。新型のアイツのせいだ。

 というわけで、最近は急な仕事のキャンセルに合わせて、機材のメンテナンスや新しく購入した照明のテスト撮影をしている。

 先日の沖縄ロケで砂をかぶってしまった機材たちを洗浄し、作業場でゆっくりと時間を費やして丁寧にブロアーをかける。それにひと段落すると、淹れたてのコーヒーを飲む。沖縄の砂浜に思いを馳せながら、三脚の隙間に入ってしまった細かい砂も、ひとつひとつ分解して綺麗にしなきゃなと、東京の曇り空を見あげながら考える。しかし、考えているのは三脚や沖縄のことばかりではない。

 

「そうだ、あれを撮ろう」


 思い立ったら吉日。即行動。取り出したるは、東京おりがみミュージアムで購入したおりがみ1枚。色は春らしい装いのピンクをセレクト。照明1灯でおりがみと向き合う時間の始まりだ。

 時にはしなやかに、時には凛とした、おりがみが見せる(見せていただける)様々な表情にひたすらシャッターをきり続ける。これは求愛なのだろうか?それとも修行?いや答えなんか求めちゃいない。だってこれがしたかったのだから。ずっとしたかったのだから。


 世界は新型のアイツのせいで混沌としている。このまま世界はどうにかなってしまうのだろうか?全く先は見えないが、僕は何も変わらないだろう。なぜならアイツのおかげでできることが、たくさんあるのだから。

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